黄金色の石 シトリンの不思議
2019年2月に訪れたブラジル・カーサの ブックストアで、いくつかの石を仕入れました。
その内のひとつ、細長く棒状のシトリンは、個展の作品を作る際には形にはならず、
眠ったままでしたが、今回ひらめきが降りてきて、ようやく作品になりました。
私の内では、個展のメイン作品〈ハートのビジョン〉と対になるものです。
シトリンを中心に トップにエメラルドを配し、左右にロシア産クロムダイオプサイド、
シトリンの下に マレーシアで入手したブルートパーズをあしらいました。
シトリンの透明な黄金色と、エメラルド&クロムダイオプサイドの
微妙に濃度の異なる緑のコントラストが美しく、
薄っすらとブルーがかった透明なトパーズの輝きは眩しいほどです。
高貴でありながら、遊び心もあり、人生を楽しく謳歌している
エジプトの女王のイメージが浮かんできました。
「謳歌」という言葉には、周囲の目をあまり気にせず、
自分が置かれている幸せや恵まれた環境を精一杯楽しむ雰囲気が含まれるそうです。
私自身は、幸せの定義を「自分の心が満たされることである」と捉えています。
そう考えると、日常のささいな事の中にもたくさんの幸せがある。
それらを感じられる事こそが、「豊かさ」と言えるではないかとも思います。
このネックレスには、真の豊かさに気づかせてくれるような不思議な力があります。
豊穣の鑑〈Mirror of abundance〉というタイトルをつけたのは、そんな理由からです。